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間違っている歯磨き

 

 はじめに

 現代の日本人で歯磨きをしない人は殆どいないでしょう。よほどの特殊な事情のある人を除いて、ほぼ全ての日本人は歯磨きをしているのではないでしょうか。どの家庭でも歯ブラシが常備されているでしょうし、スーパーやコンビニエンストアでは幾種類もの歯ブラシやチューブ入り歯磨き剤が必ず店頭に置いてあり、手頃な値段で購入することができます。

 それにも拘らず、私の診療所に来院される患者さまの口の中を拝見すると、合格点をつけられるくらいきれいに磨けている方は驚くほど少ないのです。もちろん中には非常にきれいに磨けいる方もいますが、それは例外的です。大部分の方は「磨いているけれど、磨けていない」と言って過言ではありません。

 右の棒グラフを見て下さい。これは厚生労働省が平成17年に行った日本人の歯に関する実態調査のうち、一人当たりの平均喪失歯数のデータです。

 50歳代までは、抜かれた歯の数は5本未満ですが、60歳以降加齢とともに抜かれる歯の数はどんどん増加しています。60歳で7本、70歳で12本、80歳過ぎればばでなんと20本以上歯を失っているのです。歯を失えば「入れ歯」あるいは「インプラント」を装着することになります。

 

 

 

 


 

  ではそのように「歯が抜かれ、入れ歯を装着し、あるいはインプラントを入れている方たち」は、「歯磨きを怠っていた」のでしょうか?

 決してそうではないでしょう。殆どの方は毎日、熱心に歯磨きをされてきたのです。それどころか、歯科医院で歯磨きの指導も受けていたはずです。戦後60年間、小学校、中学校では歯科検診が毎年行われ、歯磨き指導もされ、歯磨きについての国民の意識は極めて向上してきたのではないでしょうか?

  そもそも日本は世界的にみても清潔で衛生状態のよい国だと思いますし、日本人は<きれい好き>な民族ではないでしょうかそれにも拘らず、50歳過ぎると大切な自分の歯が抜かれ、入れ歯人生が始まる方が多いのは一体どういうことなのでしょうか?

 これはやはり歯磨きについて何か根本的に見直さなければならない、ということなのではないでしょうか。この章では、私たちが考え実行してきた一端をご紹介しながら、もう一度「歯磨き」について考えてみたいと思います。



歯磨きの3要素:「意識」習慣」「技術」

 一般の方も歯科専門家の方も、<歯磨き>というとすぐに、「どんな方法がよいのか?」とか、「硬い歯ブラシと軟らかい歯ブラシのどちらがよいのか?」といった、「技術」や「道具」の話になってしまいがちですね。しかし、私の30年間の経験では「技術論」や「道具論」に入るまえにもっと重要なことがあるのです。それは、「習慣について見直そう」、ということです。そして、その前に歯磨きも人間の行動である以上、「どんな意識」をもって歯磨きをするのか、「意識」の面も重要ですね。
 <合格点の歯磨き>が出来るようになるためには、歯磨きを単に「技術・道具」の側面だけでなく、「習慣」の側面、さらには「意識」の側面からもう一度見直す必要があるーーというのが、私達が30年間歯磨き指導を行ってきた上での原点です。これを<歯磨きの3要素>と呼んでいます。


「意識」とは: 何を目標に、どんなことを考えて歯磨きをするのかという、歯磨きの目標とその限界をしっかり認識すること
「習慣」とは: 何時、どこで、どのような姿勢で磨くか。目標は<食べたら直ぐに磨く>習慣を、日常生活の一部として自然にできるようにすること
「技術」とは: 基本は、歯ブラシを歯の表面に正しい角度で当てることですが、柔軟な手・指・手首の動かし方の技術も習得すること
「意識」「習慣」「技術」・・・これを歯磨きの3要素と呼んでおり、歯磨きのレベルを上げるためには、この三つの側面から総合的にアプローチすることが重要です。


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