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歯磨きの「意識」について


歯磨きの「意識」について(1):バス氏の見解の誤りとは

◆そもそもバス法の根本的誤りは◆
『歯周ポケットの中の歯垢を歯ブラシの毛束で除去すべきである』
と考えたことにあるのです。

歯周病が悪化する最大の原因は、歯根表面に付着する細菌群です。1950年代にはまだ現在のような歯周病に関するする研究が確立する前でしたので、バス先生が『歯肉溝内の細菌こそが歯周病を進行させる最も重要な原因である』と説明したことは画期的な見解でした。

しかし『歯周ポケット内の細菌(右図のⓑ)を歯ブラシの毛先で除去すべきである』、とまで主張したことは行き過ぎであったことは明らかです。そもそも狭くて深い歯周ポケットの中に歯ブラシの毛束を挿入することは不可能ですし、仮に挿入できたとしても、歯根の表面に強固に付着した細菌群(歯垢、歯石)を細くて軟らかい毛先で除去できるほど、生易しくはないのです。

歯周ポケット内の歯根面に付着する細菌や歯石(ⓑ)は歯科医院で専門家に除去してもらうべきものであり、「患者さんが磨くべきである」など考える必要はないのです。

(右図ⓑの歯周ポケット内の細菌や歯垢を除去し、歯根の表面の汚染されたセメント質を取り除いて滑沢にする処置のことを<ルート・プレイニング>といいますが、これについては<誤解だらけの歯周病>のコーナーで詳しく解説します。)


歯磨きの「意識」について(2):歯のどこを磨くべきなのか

そもそも「歯ブラシで歯を磨く」という行為は、何を目的に何処に狙いを定めて行うのがよいのでしょうか。
この質問をすると、大部分の方は「食べカスを取る」と答えるようです。そしてそれは間違いではないのですが、歯科医師の立場からすると、それではまだ不十分なのです。

★「歯ブラシで歯を磨く」行為の最大の狙いは★


ここで付け加えたいのは、「歯肉をマッサージすると良い」などと考えている方も時々ありますが、それは歯周病の治療にも予防にも殆ど役に立ちません、それどころか結局歯肉を傷つけてしまい障害を及ぼしていることのほうが多いのです。

(<歯肉をマッサージして歯周病が治った>、という研究や論文は世界中に一つもありません。歯ブラシで磨くべき部位は、あくまでも右図ⓐの部分なのです。


歯磨きの「意識」について(3):歯のどこを磨くべきなのか

 これでようやく歯磨きの「技術」編とその裏付けのなる「意識」編のまとめになりました。
 歯磨きの目的は、歯肉のすぐ上の歯苔(歯垢)細菌の除去することであり、右図ⓐの部分をターゲットにしましょう。
 そのためには右図の<スクラビング法>がよいことになります。

 


◆ スクラビング法の利点 ◆

@歯の表面に対してブラシが直角に当たり、清掃能率がよい
A歯肉にブラシの側面が触れるだけなので歯肉を傷つけない
B歯の表面の根元にも、ピッタリ毛先を当てることができる



ⓑをターゲットとするバス法は
間違いであることが
おわかりでしょう

 

 




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