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抜歯しない矯正治療

抜歯しない矯正治療 =フレンケル装置の活用=

最近「歯並び」を気に掛ける人が多くなり、また矯正治療の技術的進歩もあいまって、矯正治療がかなり普及してきているようです。また矯正治療は子供だけでなく、大人にも行われるようになり、それだけ我が国でも「歯並び」に関心が高まってきている証しであり、歯科医療の担当者としては好ましいことと言えるでしょう。
しかし、通常の矯正治療は保険給付の対象になっておらず、費用も高額になること、治療装置が複雑で快適なものでもなく、外観にもよくないこと、さらに治療期間が長くかかるということ、・・・等々難点が多いのです。そのため、矯正治療を敬遠される方が多いのも事実ではないでしょうか。
一口に「歯並びが悪い」といってもいろいろのパターンがあります。

(1)歯が重なり合って生えている<デコボコタイプ>【写真】
(2)上顎の骨格が前に突出しているための<出っ歯タイプ>
(3)下顎の骨格が前に突出しているための<受け口タイプ>
それ以外に
(3)歯周病が原因で歯の向きや歯並びが悪くなった症例

当然のことながら、対策も治療法も症例によって変わってきます。

これらの内、歯列矯正を希望されて来院される患者さんに最もよくみられる悪い歯並びは、右の写真のような(1)のデコボコの歯並びのケースで、犬歯が外側に飛び出た「八重歯」と呼ばれるタイプの「デコボコの歯並び」の例でしょう。


日本人によく見られる歯列不正。
犬歯が外側に放出してきた。
(俗称八重歯と呼ばれる状態)

デコボコ歯列は何故起きるのか

なに故に、歯並びが<デコボコ>の除隊になってしまうのでしょうか?

それは、<アゴの大きさ>に比べて<歯の大きさ>が大きすぎることが原因と言ってよいでしょう。

特に、現代の子供は栄養状態が良いため、個々の<歯の大きさ>は十分成長しており、それに比べて、食亊(間食も含めて)内容に軟らかい食品が多くなり、<顎の骨格>の発育が不十分であるためと、考えられています。

具合的には<アゴのU字形アーチの長さ>(黒色の破線の長さ)に比べて、<前歯と小臼歯の横幅の合計値>(赤色の矢印)が大きすぎるため、その結果歯がきれいに並ぶスペースが足りなくなり、デコボコ歯列の状態にとなっているのです。


フレンケル装置とは

フレンケル装置とはどんな構造をしているのでしょうか。

フレンケル装置は大きく4つの型があり、患者さんの不正咬合のタイプに応じて使いわける必要があります。それを全て説明しますと少々ややこしくなりますので、ここではと呼ばれるものについてだけ簡単に説明します。

大変複雑な形をしていますが、もっとも重要なパーツは、左右の歯列の外側にくるプラスティックのプレートで、バッカル・シールドと呼ばれています。前歯の部分には。ワイヤとやはり小さなプラスティックのラビアル・パッドがきます。

これらの左右のプラスティック製のパーツを繋ぐ太いワイヤが上顎の表面にきます。装置の大きさが大きいため、驚かれるかもしれませんが、いままでこれを嫌がって入れなかった患者さんは、ひとりもいません。

もちろん制作上のミスで、「口の中のどこかに当たって痛い」こともありますので、それはすぐに修正いたします。また知らないうちに変形させてしまったり、破損させてしまい、その結果、口の中のどこかで「痛い」こともあります。そのようなばあいには早急に修理ないし修正しますので、安心して下さい


抜歯しないでデコボコを治した例 フレンケル装置の活用例(1)

もし患者さんが小学生の時に歯並びの悪いことに気がついて来院されたなら、フレンケル装置とよばれる器具を一定期間装着することによって、顎の骨の成長・拡大させることが可能です。そして将来歯を抜かないで矯正治療によって歯並びを改善することが可能なのです。

フレンケル装置とは旧東ドイツのロルフ・フレンケル教授(ブラウン病院歯科主任教授)によよって1950年代に開発された、独特の矯正装置です。本来の名称はファンクショナル・レギュレータと呼ばれ、1980年代にイギリスからアメリカに紹介され、多くの臨床試験によりその有効性が証明され、欧米の矯正学会で高く評価されています。

私どもの歯科医院で初めてこの装置を使ったのが1997年で、それが下に示す症例です。当初正直に言って半信半疑でしたが、14ヶ月就寝時にフレンケル装置を装着して貰ったところ、下顎の歯並びがほぼ完全に治っていたのです。その余りの劇的効果にビックリしたものです。




フレンケル装置の活用例(1)


フレンケル装置の活用例(2)



フレンケル装置の活用例(3)

フレンケル装置装着前(8歳1ヶ月) フレンケル装置装着後(12歳0ヶ月)

フレンケル装置は何故アゴを拡大できるのか?

フレンケル装置が何故に顎のアーチを拡大させる効果があるのか、フレンケル先生は3つのメカニズムで説明されています。

【A】頬筋を排除する効果
現代の子供は多かれ少なかれストレスや緊張を受けており、頬の筋肉も緊張状態になっている。そのために奥歯(小臼歯や大臼歯)が横から常に圧力を受けており、顎のアーチが狭くなってしまう。フレンケル装置のバッカル・シールドはこのような頬の筋肉の内側への圧力を排除し、その結果顎が大きく成長しやすくなる。

【B】骨膜を伸展し歯槽骨の発育を促進する効果
側方の奥歯の外側に設置されたバッカル・シールドは頬の粘膜を軽く上下方向に押しており、その結果顎の外側の「骨膜を外側に引っ張る」働きをする。その結果顎の骨が外側に成長させる効果を発揮する。

【C】舌の位置の改善と活動を促進する効果
歯並びが悪いもう一つの原因が「舌の位置や動き」に問題があることも多いのです。特に舌の位置が沈下していると、上顎への舌の刺激がなくなり、そのため上顎が十分外側へ成長しないと考えられています。
フレンケル装置を口の中に入れていると、舌の位置が改善されて、顎や歯列にたいして内側から適度に刺激を与えると考えられる。

抜歯してデコボコを矯正治療した例(1)

従来の<デコボコ>の歯並びを治すには、どれかの<歯を抜歯>して、歯の数を減らし、残りの歯を正しい歯列になるように治す方法がとられてきました。

最近は出来るだけ抜歯をしないで矯正治療を行うように技術開発が行われていますが、それでも、まりに<歯の大きさ>と<顎のアーチの大きさ>のギャップ(ディスクレパンシーという)が大きい場合には<抜歯>せざるを得ないケースもあります。

特に年齢が中学生以上の年に達している場合は、乳歯が全て抜け落ち、永久歯の歯並びに代わっていますので、もはや次に紹介する『フレンケル装置」による顎の成長促進効果を期待することができません。

ここに紹介する症例は高校生の時に来院された患者さんで、やむを得ず第二小臼歯を抜歯して、歯並びを治した例です。




抜歯してデコボコを矯正治療した例(2)




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