名古屋市の歯科医院 竹内歯科医院 名古屋市中村区名駅2-28-3




歯髄こそ歯の生命


竹内歯科医院のホーム・ペイジにようこそ

当院のホーム・ペイジを開いてくださり、誠ありがとうございます。

当院では歯科治療について正しい知識を知っていただくために、来院された全ての患者さまに色々なお話をさせて頂いています。これまで数多くの患者さまとお話させて頂きましたが、残念ながら「歯に関する正しい知識」をもっている方は殆どおられません。それどころか間違った知識や情報に振り回されて、とんでもない誤解をしている方のほうが遥かに多いのに驚かされているのが現状です。

近年、<健康志向><健康ブーム>が人々の間で高まり、それに伴い歯科疾患ないし歯科医療についての話題や情報がマスコミやコマーシャルで取り上げられることが非常に多くなってきました。そのこと自体は国民が歯科治療により関心を抱くようになったことの現れてあり、歓迎すべきことに違いありません。しかし残念ながらマスコミやコマーシャルが供給している「歯科についての情報」には歯科に関する本当の知識にはほど遠く、それだけでなく「間違った情報」すら流布しているのが現状です。

さらに長年月に亘って歯科医院に通って歯科治療を受け続けてきた患者さまでも、「歯科治療についての正しい知識」を歯科医院で教育されている方は極めて少ない・・というのが正直な私の感想です。それどころか、歯科医院に通い続けている内に大切な自分の歯を失い、歯周病も進行して、ますます口の中が悪くなっている気の毒な症例すら数多く拝見しています。「歯科に関する正しい知識」がないままに、歯科治療を受けていては、本当には自分の歯が良くならないばかりか、長期的にはさらに悪い結果を招いていることが非常に多いのです。

この私どものホーム・ペイジでは、当院に来院された患者さまに毎日お話している「歯科に関する正しい知識」をそのままご紹介し、一般の方々にも賢くなって頂きたいと念願して作成しています。 「歯科に関する正しい認識」・・などと言うと「何か難しいこと」と思われるかもしれません。しかし決してそんなことはありません。小学校ないし中学校の知識レベルで十分理解できることばかりです。むしろ既に他の歯科医院やマスコニなどでいろいろな知識(らしきもの)が頭にはいっており、これが却って「正しい認識」を得る上でその妨げになっていることが多いのです。

歯髄の話

一般の方が歯科医院を訪れるのは、虫歯が進行して「歯が痛い」状態になった時でしょう。歯科医院を受診すると、「痛みを取る」ために、「シンケーを取る」あるいは「シンケーの治療」をしてもらう。その後、穴があいていては噛めないので「金属冠を被せる」処置をしてもらう。「痛みが収まり」「金属冠を被せて」「噛めるようになった」ら治療終了となり、ひとまず安心して帰宅する・・・こういうパターンを繰り返している方が非常に多いのではないでしょうか。

確かに「シンケーを取る」あるいは「シンケーの治療」をすればひとまず「痛みはなくなります」ね。でもこのような治療は<歯のために良い治療>なのでしょうか。「シンケーを取る」治療をしたら、もう<将来痛くならない>のでしょうか。そもそも「歯のシンケー」とはどんな物なのでしょうか?

まずはこの「歯のシンケー」について考えてみたいと思います。

現在コマーシャルや日常会話でもたくさんの歯科用語が使われていますが、「間違った歯科用語」のナンバーワンが<歯のシンケー>という言葉です。

まず右の図を見て下さい。これは顎の中のある<歯の断面図>です。それぞれの歯の内部はどうなっているのでしょうか。歯根の真ん中には管が通っており、根っこの尖端には小さな穴があいていますね。先端の穴から歯の内部にむかって神経繊維(黄色)が入っています。それ以外に赤色の線と青色の線も入っていますね。さあこの赤色と青色の線は何でしょうか?

赤色の線は「動脈」を表し、青色の線は「静脈」を表しています。「動脈」とか「静脈」とか聞いたことがあるでしょう。「動脈」とは「心臓から送り出される血液が流れる血管」のことであり、「静脈」は「心臓に戻ってゆく血液が流れる血管」ですね。

ということは歯の内部には「血が流れている」のです。血液が循環しているのです。歯の中央の部分には大切な細胞がたくさんあり、血液循環によって栄養と酸素が常に補給されており、この部分を正しくは「歯髄」と呼びます。

骨の真ん中は「骨髄」、背骨の真ん中は「脊髄」と呼ばれますね。歯の中央にも「歯髄」がある。是非「歯髄」という言葉を覚えましょう。

 

 

 

 

 

 



「歯髄」を知っていましたか

当院では、初診の患者さまには必ず「歯の真ん中には血が通っている」「この部分を歯髄と呼ぶ」というお話をすることにしています。

しかし「歯の中に血が通っている」事実をご存知の方はほとんどおられません。「歯の中にはシンケーがある」ことは大人の患者はほぼ全員知っているようですが、「歯の中に血が通っている」こと全くといってよほど認識されていません。


虫歯には二通りの治療がある: 歯髄を生かす治療と歯髄を殺す治療

前の頁で「歯髄」という言葉を紹介しましたが、この言葉を聞いたらあなたはきっと「歯髄とは大切な部分なのだろう」と思うのではないでしょうか。そうなのです。「歯髄は歯の命」なのです。これでやっと虫歯の治療と歯髄の関係を説明する段階になりました。

そうです;虫歯の治療には; 【A】<歯髄を生かす治療> と 【B】<歯髄を除去=殺す治療> の二通りがあるのです。


ご存知のとおり、虫歯は初めは小さくて痛くありませんが、放置しておけば虫歯は徐々に深く進行して、「水やお湯を含んだ時に痛みを感ずる」ようになります。大部分の方はこの時点で「虫歯ができた」と気がつくようですが、さらに我慢しているといよいよ「何もしなくても痛い」状態になります。この段階でやっと歯科医院を訪れ、治療してもらっても、多くの場合<歯髄にばい菌が侵入している>ために、残念ながらを除去する治療をすることになります。いわゆる「神経の治療」と称する治療です。
もし歯髄を除去しないで虫歯の治療をしてほしいのなら、<歯髄にまで虫歯が進行する前>、つまり「まだ痛くない」段階の内に治療を受けなければなりません。ここが案外虫歯の治療の難しいところではないでしょうか。


【A】<歯髄」を生かす治療>の例です。

虫歯がまだ歯髄にまで進行する前の初期の段階ならば、「歯髄を生かして」虫歯の治療をすることが出来ます。

(1)まず虫歯に侵された部分を丁寧に完全に除去します。
(2)次に歯髄が炎症をおこさないようにを保護するための大切な処置をします。
(3)その後失われた部分のみ精密に形成します。歯の外側は無用に削らない。
(4)形成された凹みの部分に精密な鋳造金属あるいはセラミック等で修復する。

この処置により歯の形態を元どおりに回復し、以後長期間の咀嚼に耐えられ、長持ちするようにします。この処置により歯髄は生かされていますし、外側の健全な歯の部分を削り取ったりもしていません。歯の体積の80%は保存されています。


【B】<歯髄を取る治療>の一つの例を表しています。

歯医者さんは通常「歯のシンケーを取る治療を行います」と言うため、患者さまの中には「神経繊維だけを取り、まだ血管や細胞をのこしてある治療」だと思っている方もおられます。しかし残念ながらそうではありません。「神経を取る」治療・・・、実はそれは「歯髄を除去」する治療法なのです。

(1)歯の中央に穴を開け、歯髄を除去し、その後歯根管に薬剤をいれます。(これで当面「痛みはなくなります」が、この歯は血液の通わない、いわば「枯れ木」のような状態になります。さらにこの歯髄組織は極めて複雑の構造をしており、これを完全に除去することは極めてむずかしい治療です。)

(2)歯の中央の空洞にはしばしば補強のために金属の心棒をいれます。この心棒が太すぎると長期的には歯根の亀裂や破折の原因になります。

(3)歯の外側を削り取ります。(外側の虫歯になっていない、健全なエナメル質も削ります)

(4)最後に金属冠をカブセル。(精確に患者さまの元の歯の形どおりに人工の金属冠をつくり、対合歯とも正しい噛み合わせ関係を確立することは困難です)

このように<歯髄を除去>し<金属冠をカブセル>処置をすれば、確かに「痛みは取れ」なんとか「噛むことができる」ようにはなります。しかしこの処置により大切な歯は「枯れ木」状態になり、しかも歯の元の体積の40〜60%の部分が失われてしまいます。


「神経を取り」金属冠をかぶせた後は?

「虫歯の治療をした後どうなるか」を考えたことはあるでしょうか。「金属冠・セラミック冠をかぶせた」歯は、その後どうなるのか考えたことはありますか?一度歯科医院で治療した歯は、その後に虫歯が再発する可能性はないのでしょうか。

以前は「かぶせた金属冠は何年もちますか」と質問される方が時々おられましたが、最近そのような質問をされる方はほとんどいないようです。でも金属冠をかぶせた歯が将来どうなるのか、ということを考えておくことは極めて大切ではないでしょうか?

殆どの方が「虫歯の治療を受けたのに、また虫歯になってしまった」という経験をしているのではないでしょうか。

60歳を過ぎると多くの方が<歯を抜かれ>その後<ブリッジ>や<入れ歯>を装着されています。

ではその<抜かれた歯>は「虫歯の治療を受けていなかった」のでしょうか。そんなことはありません。<抜歯される歯>の約半数はかつて<虫歯の治療をうけていた歯>なのです。

実は、「神経ヲ取リ」「金属冠・セラミック冠」をかぶせる処置をした歯の多くが、暫くすると歯根部分に虫歯が再発します。これに気がつかないでいるうちに、再発した虫歯が大きくなってしまい、気がついたときには<抜歯>せざるを得ななくなるのです。

大部分の方は「神経を取って」「痛くなくなり」「金属冠を被せて」「噛めるようになった」ら、もうこれで「虫歯は治った」と思い、安心している人が多いのではないでしょうか。しかし下の写真のように金属冠の下の歯根部に虫歯が再発するケースは極めて多いのです。しかもこの再発した虫歯は、歯髄がないために痛くなく、患者さまが気がつかれることは殆どないのです

虫歯治療の最も重要でかつ困難な課題は、<治療後の虫歯の再発問題>ではないか、と私は考えています。この問題を考える上でのカギは、「金属冠やセラミック冠をかぶせた後、虫歯が再発する」危険性があることを認識するすることなのです。「神経を取って」「金属冠を被せて」もらって「安心」していてはいけません。むしろ「また次に虫歯が再発するかもしれない」という<危惧の念>を持つことこそが重要なのです。

歯科処置後の虫歯の再発を防ぐためには、歯科医師だけでなく、患者さまの側の努力も極めて重要になってきます。

より効率的な歯磨きを実践すること。食生活とくに間食(おやつ)をみなおすこと。そして何よりも歯髄を除去したり金属冠をかぶせたりしない早期の歯科治療を受ける心構えが重要ではないでしょうか。


歯髄を生かして治療した後は?

<歯髄が生きている>歯は、<歯髄を除去した>歯に比べて、明らかに長持ちします。

歯にとって最も理想的な状態とは、「虫歯にもならず」、「歯周病にもならず」、<一生良好な状態で死ぬまで使えること>であることに誰しも異論はないでしょう。しかし現実には<虫歯>が出来たり<歯周病>になったりして、60歳すぎると徐々に歯が抜かれ、ブリッジや入れ歯を装着するケースがおおいのではないでしょうか。

前のページで歯髄を生かして虫歯の治療を行った例をお見せしましたが、このような治療法を正しく精確に行えば、極めて長期間良好な状態で維持できるのです。下の写真は当院で行った<歯髄をいかす治療>の症例です。当時53歳の患者さまで、幸い虫歯が歯髄にまで進行する前でしたので、歯髄を保護しながら虫歯の部分を完全に除去し、欠損した歯の内部のみに精密な鋳造金属で修復しました。金属冠を被せる必要はありません。そのご23年間全く異常なく使っておられることを確認しています。



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