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歯髄こそ歯の生命 > 虫歯には二通りの治療がある: 歯髄を生かす治療と歯髄を殺す治療

虫歯には二通りの治療がある: 歯髄を生かす治療と歯髄を殺す治療

前の頁で「歯髄」という言葉を紹介しましたが、この言葉を聞いたらあなたはきっと「歯髄とは大切な部分なのだろう」と思うのではないでしょうか。そうなのです。「歯髄は歯の命」なのです。これでやっと虫歯の治療と歯髄の関係を説明する段階になりました。

そうです;虫歯の治療には; 【A】<歯髄を生かす治療> と 【B】<歯髄を除去=殺す治療> の二通りがあるのです。


ご存知のとおり、虫歯は初めは小さくて痛くありませんが、放置しておけば虫歯は徐々に深く進行して、「水やお湯を含んだ時に痛みを感ずる」ようになります。大部分の方はこの時点で「虫歯ができた」と気がつくようですが、さらに我慢しているといよいよ「何もしなくても痛い」状態になります。この段階でやっと歯科医院を訪れ、治療してもらっても、多くの場合<歯髄にばい菌が侵入している>ために、残念ながらを除去する治療をすることになります。いわゆる「神経の治療」と称する治療です。
もし歯髄を除去しないで虫歯の治療をしてほしいのなら、<歯髄にまで虫歯が進行する前>、つまり「まだ痛くない」段階の内に治療を受けなければなりません。ここが案外虫歯の治療の難しいところではないでしょうか。


【A】<歯髄」を生かす治療>の例です。

虫歯がまだ歯髄にまで進行する前の初期の段階ならば、「歯髄を生かして」虫歯の治療をすることが出来ます。

(1)まず虫歯に侵された部分を丁寧に完全に除去します。
(2)次に歯髄が炎症をおこさないようにを保護するための大切な処置をします。
(3)その後失われた部分のみ精密に形成します。歯の外側は無用に削らない。
(4)形成された凹みの部分に精密な鋳造金属あるいはセラミック等で修復する。

この処置により歯の形態を元どおりに回復し、以後長期間の咀嚼に耐えられ、長持ちするようにします。この処置により歯髄は生かされていますし、外側の健全な歯の部分を削り取ったりもしていません。歯の体積の80%は保存されています。


【B】<歯髄を取る治療>の一つの例を表しています。

歯医者さんは通常「歯のシンケーを取る治療を行います」と言うため、患者さまの中には「神経繊維だけを取り、まだ血管や細胞をのこしてある治療」だと思っている方もおられます。しかし残念ながらそうではありません。「神経を取る」治療・・・、実はそれは「歯髄を除去」する治療法なのです。

(1)歯の中央に穴を開け、歯髄を除去し、その後歯根管に薬剤をいれます。(これで当面「痛みはなくなります」が、この歯は血液の通わない、いわば「枯れ木」のような状態になります。さらにこの歯髄組織は極めて複雑の構造をしており、これを完全に除去することは極めてむずかしい治療です。)

(2)歯の中央の空洞にはしばしば補強のために金属の心棒をいれます。この心棒が太すぎると長期的には歯根の亀裂や破折の原因になります。

(3)歯の外側を削り取ります。(外側の虫歯になっていない、健全なエナメル質も削ります)

(4)最後に金属冠をカブセル。(精確に患者さまの元の歯の形どおりに人工の金属冠をつくり、対合歯とも正しい噛み合わせ関係を確立することは困難です)

このように<歯髄を除去>し<金属冠をカブセル>処置をすれば、確かに「痛みは取れ」なんとか「噛むことができる」ようにはなります。しかしこの処置により大切な歯は「枯れ木」状態になり、しかも歯の元の体積の40〜60%の部分が失われてしまいます。



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