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誤解だらけの歯周病

こんなに誤解されている歯周病

このコーナーでは、歯周病をとりあげます。
今日、「歯周病」という言葉を知らない方は、ほとんどいないと思います。
「歯周病・・・?」、「 うん、知っているよ」、「ハグキ(歯肉)のビョウキですよね」、
という言葉が返ってきそうですね。




さあ、貴方はどのように思いますか?

歯周病はこんなに誤解されている(1)


◆ 何故 いいえ なのか ◆

(A) (B)について:
歯周病について世界中の歯科大学や研究機関で研究され、治療法も開発されてきましたが、「歯肉をマッサージして治った」とか「塩で磨く効果があった」ということを証明した研究や論文は一つもありません。これらは間違った俗説であり、大きな誤解です。
ただし「マッサージ」や「塩」の効果を信じて実行している人は、歯周病について関心が高く、歯や口の清掃状態が良い人が多い、という点では好ましいことと言えるかもしれません。しかし、ある程度以上進行した歯周病を「マッサージ」や「塩」で治すことは不可能です。

(C)について:
口の中で、たしかに「歯肉が下がって歯根が露出する」という状態がおきることもあります。しかしこれは、細菌によって起こされる通常の歯周病の炎症とは別の、構造的な形態異常の一種です。したがって歯肉が下がったからといって、歯周病が進行することはありません。それが歯が抜ける原因になることもまずありません。


歯周病はこんなに誤解されている(2)

このように歯周病が誤解されている最大の元凶は<歯周病は歯茎(はぐき)の病気である>という思い込みではないかと、私は考えています。

当院での500人以上の方のアンケート調査から、97%以上の方が、「歯周病は歯肉の病気である」と答えられました。(右グラフ)

専門家もよく、「歯周病は歯肉の病気ですから注意しましょう」などと説明していますので、一般の方々がそう思うのは当たり前かもしれません。

しかし「歯周病は歯肉の病気である」という思い込みに囚われていると、「歯肉をマッサージしよう」とか「歯肉を塩でこすろう」といった歯肉そのものをターゲットにする錯覚におちいる危険性が生まれてしまいます。

その結果、歯周病の本当の原因を理解できなくなり、治療法やその効果も理解できなくなってしまうのです。


日本人が年齢が進むと共に、いかに沢山の歯を失っているかは前のグラフで示しましたが。<歯が抜かれる原因の半分は歯周病>と言われており、将来自分の歯が抜かれないためには歯周病を正しく理解し、確実な治療を受けることが是非とも必要です。

このコーナーでは<歯周病とはどんな病気>であり、また<どんな治療と対策が必要なのか>を出来るだけ分かりやすくご説明したいと思います。これまでの間違った常識や観念を捨てて、白紙の状態で読み進んでみて下さい。決して難しい医学的知識は必要ありません。イラストも工夫して描きましたのじっくり見見て下さい。


こんなに誤解されている歯周病(3)*歯根の周囲組織とは?*

答えは⇨「 歯茎(はぐき)」ではありません

正解は⇨「骨(ほね)」 なのです


「えー?骨なんですか・・」と殆どの方がいわれますが、
実は<骨が歯根を支えている>のです。
下の写真をよく観て下さい。これは本物の頭蓋骨の写真です。
 <ガイコツですから頬や鼻や肉などは除去されています>

【A】は顎(あご)と歯の部分を横から見たもので
【B】 は下顎の部分を切断し、断面の状態をみたものです
【A】

【B】
*下顎の骨の断面*
歯根は骨の中にあることが分かるでしょう。


この写真から、<歯根が顎(あご)の骨の中にある>ことが分かるでしょう。
一口に骨といっても、【B】の断面をよく見ると、骨の内部には小さな空洞が多数あり、
海綿骨と呼ばれていますが、決して海綿のように軟らかくはありません。
強固な網目の構造をもっており、歯根はこの海綿骨によってしっかり支えられているのです

左は本物の歯(大臼歯と小臼歯)です。

歯周病はこんなに誤解されている(4)

<歯肉はオーバーであること>

<歯根は骨によって支えられている>ことが分かったなら、それでは
『 歯肉は歯根とどういう関係になっているの? 』・・
という疑問が生じますよね。
【C】のイラストを見て下さい。

(この図は下アゴの奥歯とその周囲を左右方向に切った断面図です)


歯肉の上の方は、歯根のトップ部分を、あたかもワイシャツの襟やタートルネックのように、取り囲こみ密着していることが分かるでしょう。

歯周病の<誤解>と決別し:
正常(健康)な<歯とその周囲の構造>を知ろう

これから歯周病がどのように進行してゆくのか、それを予防するにはどのような治療対策をとるべきかなどのお話をするのですが、しかしそのためには、「歯根を支えているのは歯肉である」と言う<思い込み>や<誤解>から決別することがまず必要です。
そして「歯根を支えているのは骨である」というイメージをつかんだ上で、歯肉を含めた、歯とそのまわりの構造(歯周組織)を知ることが必要です。
そして、ここまで質問に答えながら読み進んでこられて貴方にとって、<歯とその周囲の構造>を理解することは決して難しくはないでしょう。
下のイラストをよく見て下さい。重要な3つのポントを押さえましょう。もうあなたは、歯周病を理解するための最大の難関を突破しましたよ。



3つのポイント
ポイント(1)・・・歯根は骨によって支えられている
(歯根の長さの約90%が骨によって支えられている)
ポイント(2)・・・骨の外側に歯肉がカバーしている
(歯肉は下の方で頬や唇の粘膜につながっている)
ポイント(3)・・・歯肉は歯の中央ののところで襟首のように取り巻いており、その内面に歯とわずかの隙間がある

歯周病はこんなに誤解されている(5)

それでは、下の画像を見てみましょう。
一番左の画像【1】は健康な状態ですね。歯根とその周りの骨がしっかりくっついていますね。歯肉は骨の周りで(左右で)密着していますよ。
しかし歯周病を放置すると【2】→【3】→【4】のように進行=悪化してゆきます。
【1】健康な状態

【2】初期の歯周病 【3】中期の歯周病 【4】末期の歯周病


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